Salesforceエンジニアとは?
Salesforceエンジニアとは、顧客管理(CRM)や営業支援(SFA)のクラウドサービス「Salesforce」の導入、設定、開発、運用を担うエンジニアです。担当する範囲によって、大きく3つのタイプに分かれます。
| タイプ | 主な仕事 |
|---|---|
| 設定・運用(アドミン) | 画面や項目、権限、自動化の設定、ユーザーからの問い合わせ対応 |
| 開発(デベロッパー) | Apex(Salesforce独自のプログラミング言語)やLightning Webコンポーネントでの機能開発、他システムとの連携 |
| 導入コンサル・設計(アーキテクト) | 顧客の業務を聞き取り、Salesforceで何をどう実現するかを決める |
このどこを担当しているかが、年収と将来性を大きく左右します。
Salesforceエンジニアの 年収は?
Salesforceエンジニアの年収は、同じ職種名でも会社と担当工程で大きく変わります。実際の求人を見ると、その幅がよくわかります。
| 求人の例 | 主な仕事 | 年収の目安 |
|---|---|---|
| 業務系コンサルティングファーム | 要件定義から実装、定着支援まで | 400万〜600万円 |
| Webインテグレーター | 導入提案、要件定義、開発 | 500万〜700万円 |
| 東証プライム上場の事業会社(社内) | 自社のSalesforceの企画・開発・運用 | 560万〜730万円 |
| 大手コンサルティンググループのSI会社 | コンサルフェーズからの導入支援 | 600万〜1,999万円 |
出典:転職サイト「KOTORA」「エン転職 AMBI」の掲載求人(2026年7〜9月時点)
フリーランスの案件では、副業・フリーランス向けマッチングサービスのSOKUDANが、掲載中のSalesforce案件約5,500件の単価から想定年収を試算しており、平均は872万円でした(1日8時間・月21日稼働で計算した試算値)。
同じSalesforceの経験でも、どの会社で、どの工程を担当するかで年収は倍以上変わります。今の年収に不満がある場合、スキルが足りないのではなく、経験が評価されにくい場所にいるだけ、ということも少なくありません。
今の年収が経験に見合っているか、まずは数字で確かめてみてください。
Salesforceエンジニアの 将来性は?
結論から言うと、Salesforceエンジニア全体の将来性はありますが、「人が余る層」と「足りない層」に分かれつつあります。
Salesforce自体は AIエージェントに 大きく 舵を 切っている
Salesforceは、AIエージェントを作る基盤「Agentforce」を事業の中心に据えています。日本でも2024年10月に提供が始まり、2026年8月には音声で対話する機能の日本語版も一般提供されました。セールスフォース・ジャパンは、国内パートナー企業のAgentforce認定資格者を、1,400人以上から3,000人に増やす目標を掲げています。
つまり、Salesforceの仕事は「画面や機能を作る」ことから、「AIを業務にどう組み込むかを設計する」ことへ広がっています。
海外では、 入門層は 余り、 上位層は 足りていない
海外の大手Salesforce専門メディア「Salesforce Ben」は、2025年の需要と供給の変化を次のように報告しています。
| 職種 | 需要の伸び | 人材供給の伸び |
|---|---|---|
| アドミン | +14% | +47% |
| デベロッパー | −12% | +20% |
| テクニカルアーキテクト | +27% | +4% |
海外のデータなので日本にそのまま当てはまるわけではありませんが、方向性ははっきりしています。設定や開発ができる人は増えて競争が激しくなる一方、全体を設計できる人や、AI・データ活用を担える人は足りていません。
「Salesforceエンジニアは やめとけ」と 言われるのは なぜ?
「やめとけ」と言われる主な理由は、次の3つです。
- 学び続ける必要がある:Salesforceは年に3回の大型アップデートがあり、新機能や仕様変更を追い続ける必要があります。
- 独自の制約が多い:Salesforce上の処理には、一度に使えるリソースの上限(ガバナ制限)など独自のルールがあり、一般的な開発の感覚が通じないことがあります。
- 製品に依存したキャリアになりやすい:Salesforceの設定や開発だけを続けていると、他の技術に移りにくくなる不安があります。
ただし、3つ目の不安は、身につけるスキルの選び方で解消できます。Salesforceの操作ではなく、「顧客の業務を整理して、仕組みに落とし込む力」を身につければ、それは製品が変わっても通用するスキルです。
Salesforceエンジニアが 年収を 上げる ルートは?
将来性の分かれ方を踏まえると、年収を上げるルートは次の3つです。
ルート1:設計・アーキテクトに 進む
開発の経験を土台に、複数のシステムをまたいだ設計や、プロジェクト全体の技術的な判断を担う立場に進むルートです。海外のデータでも需要の伸びが大きく、人材が不足している領域です。
ルート2:導入コンサルと して 業務設計を 担う
顧客の業務を聞き取り、Salesforceで何をどう実現するかを決める仕事です。設定や開発の経験がそのまま活き、上流工程の経験として評価されます。エンジニアからコンサルに移る道については、エンジニアからコンサルへの転職で詳しく解説しています。
ルート3:AI・ データ活用の 領域に 広げる
Agentforceなど、AIエージェントやデータ活用の導入を担える人材は、今まさに求められています。早い段階で実務経験を積めれば、大きな強みになります。
年収を 上げる ために、 資格は 役に 立つ?
資格は、経験を見える形にする手段として役に立ちます。ただし、評価の中心はあくまで実務経験です。求人の中には、Salesforceの開発経験がなくても、JavaなどのプログラミングのスキルとSalesforce社の無料学習サービス「Trailhead」での学習を前提に採用するものもあります。
目指すルートに合わせて、次の資格から選ぶのがおすすめです。
| 目指すルート | 代表的な資格 |
|---|---|
| まず基礎を固める | 認定 Platform アドミニストレーター |
| 開発を強みにする | 認定 Platform デベロッパー |
| 導入コンサルを目指す | 認定 Agentforce Sales コンサルタント、認定 Agentforce Service コンサルタント |
| AI活用を担う | 認定 Agentforce スペシャリスト |
運営者より
僕は転職を機にSalesforceの資格を取り、今は導入と開発の両方に関わっています。現場で感じるのは、設定や開発ができる人よりも、顧客の業務を聞き取って「何を作るべきか」を決められる人のほうが足りていないということです。
今の 経験が、 どの 層で 評価されるかを 確かめる
Salesforceエンジニアの年収は、スキルそのものより「その経験を高く評価してくれる会社にいるか」で大きく変わります。同じ経験でも、求人によって400万円台のものもあれば、1,000万円を超えるものもあります。
自分の経験がどの層で評価されるのかは、求人票を眺めるだけでは判断しにくいものです。転職市場を見ている人に聞けば、今の経験で狙える年収と求人がすぐにわかります。今すぐ転職するかどうかは決めていなくても、自分の市場での評価を知っておくと、次に伸ばすべきスキルも見えてきます。
動くならこの順番
ステップ1:自分の担当範囲を整理する
設定・開発・要件定義・設計・AI活用のうち、どこまで担当してきたかを書き出します。
ステップ2:次に伸ばす領域を決める
設計・アーキテクト、導入コンサル、AI・データ活用のどれを目指すかを決めます。
ステップ3:資格で経験を見える形にする
目指す領域に合わせて、認定資格で実力を証明します。
ステップ4:転職相談で市場での評価を確かめる
今の経験で狙える年収と求人を、外部の目で答え合わせします。
