SESの 単価とは?
SESの単価とは、客先企業があなたの稼働に対して、所属するSES企業に毎月支払っている金額のことです。「月60万円」のように、1人が1か月働いた分(1人月)の金額で表すのが一般的です。
多くの契約では「精算幅」が決まっています。たとえば精算幅が月140〜180時間なら、その範囲内の稼働であれば単価は固定で、上回れば追加の請求、下回れば減額になる仕組みです。
ここで押さえておきたいのは、この単価があなたの年収の上限を決めているということです。SES企業は、客先から受け取る単価の中から会社の利益や経費を差し引き、残りをあなたの給与として支払っています。どれだけ頑張っても、単価を超える給与が払われることはありません。
なぜ 自分の 単価を 知って おくべきなのか?
自分の単価を知っておくべき理由は、年収が上がらない原因を正しく突き止められるからです。
単価がわかると、まず還元率を計算できます。還元率とは、単価のうちどれだけが給与として還元されているかの割合で、「年収 ÷(月単価 × 12)」で求められます。たとえば単価が月60万円で年収が450万円なら、還元率は62.5%です。
そして、年収が上がらない原因は、大きく次の3つに分けられます。
- 単価そのものが低い:スキルや担当している工程が、単価の高い案件に届いていない
- 還元率が低い:単価は十分なのに、会社に残る割合が大きい
- 商流が深い:自社が2次請け、3次請けで、間に入る会社ごとにマージンが引かれている
原因によって打つべき手はまったく違います。単価が低いならスキルや案件を変える、還元率や商流に問題があるなら会社を変える、という判断になります。単価を知らないままでは、どの手を打つべきかが決められません。
SESの 単価を 確認する 4つの 方法は?
1. 会社 (営業・上司)に 直接聞く
一番確実な方法です。聞き方とタイミングさえ押さえれば、教えてもらえるケースは少なくありません。具体的な聞き方は次の章で紹介します。
2. 給与の 仕組みや 社内制度を 確認する
単価に連動して給与が決まる仕組みや、単価を社員に開示する制度を持っている会社もあります。就業規則や評価制度の資料、入社時の説明資料に書かれていないか確認してみてください。制度があるなら、聞くハードルは一気に下がります。
3. 案件に 入る 前の 情報から 確認する
会社によっては、案件を紹介される段階で、営業から単価や単価の幅を伝えられることがあります。過去の案件紹介のメールやメッセージを見返すと、書かれていることがあります。
4. 同じ スキルの 案件相場から 推測する
会社に聞きにくい場合は、フリーランス向けの案件サイトで、自分と同じ言語・担当工程・経験年数の案件の単価を見てみてください。フリーランスの単価はSESの単価とまったく同じではありませんが、「市場が自分のスキルにいくら払っているか」のおおよその目安になります。
単価がわかった人も、推測した人も、まずは還元率を計算してみてください。年収とのバランスが数字で見えます。
会社に 単価を 聞く ときの 聞き方は? 【例文】
単価を聞くときのポイントは、「お金の不満」ではなく「キャリアの相談」として切り出すことです。
聞くタイミングは、評価面談、案件の更新や切り替えの時期、キャリア面談など、もともと今後の話をする場が向いています。メールで聞くより、対面やオンラインで話すほうが温度感が伝わり、答えてもらいやすくなります。
評価面談で上司に聞く場合
来期の目標を立てるうえで、今の自分が客先からどう評価されているかを知りたいです。今の案件の単価を教えていただけますか?
案件の更新時に聞く場合
次の更新に向けて、スキルアップの方向性を考えています。差し支えなければ、今の契約単価と、単価を上げるために必要なことを教えてください。
営業担当に聞く場合
次の案件を選ぶ参考にしたいので、今の案件の単価感を教えてもらえますか? 幅でも大丈夫です。
反対に、「いくら抜いているんですか?」のように会社を責める聞き方は避けてください。相手が身構えてしまい、答えてもらえる可能性が下がります。
運営者より
SESの立ち上げに関わった立場から言うと、単価を聞かれること自体を嫌がる会社ばかりではありません。単価を気にしているのは、自分のキャリアを真剣に考えている証拠です。遠慮せず、目標の話とセットで聞いてみてください。
単価を 教えて もらえない ときは どうする?
単価を社員に開示しなければならないという決まりは、一般的にはありません。そのため、教えてもらえないこと自体は珍しくありません。
ただし、聞き方を変えても一切答えてもらえない、幅すら教えてもらえないという場合は、給与の決め方が不透明な会社だというサインと受け取ってよいでしょう。自分の給与がどう決まっているのかわからないまま働き続けると、年収を上げる手段も見えないままです。
その場合の選択肢は3つあります。
- 相場から自分の単価を推測する:方法4のやり方で目安をつかみ、今の年収と比べます。
- 単価や還元率を公開している会社を検討する:給与の決め方が透明な会社なら、頑張りが年収にどう反映されるかが見えます。
- 外部の転職相談で、自分の市場での評価を確かめる:今のスキルと経験に市場がいくら払うのかを、転職市場を見ている人に聞くのが一番早い方法です。
単価が わかったら、 次に 何を すればいい?
単価がわかったら、還元率を計算して、年収が上がらない原因が「単価」「還元率」「商流」のどこにあるかを見極めます。
| 原因 | 打つべき手 |
|---|---|
| 単価が低い | より上流の工程や、需要の高い技術の案件に移る |
| 還元率が低い | 還元率の高い会社や、給与の決め方が透明な会社に移る |
| 商流が深い | 元請けや1次請けの案件が多い会社、または社内SEや自社開発に移る |
どの場合も、「今のスキルなら、市場ではどのくらいの年収が見込めるのか」を知っておくと判断がぶれません。今すぐ転職するかどうかは決めていなくても、外部の目で自分の評価を確かめておくことは、残る場合にも動く場合にも役に立ちます。
動くならこの順番
ステップ1:給与の仕組みと入社時の資料を確認する
単価に連動した給与体系や、単価を開示する制度がないかを先に確かめます。
ステップ2:評価面談や案件更新のタイミングで単価を聞く
目標設定やキャリアの相談として切り出すと、答えてもらいやすくなります。
ステップ3:還元率チェックで還元率と適正年収を見る
単価がわかれば、年収とのバランスが数字で見えます。
ステップ4:転職相談で市場での評価を答え合わせする
今のスキルに市場がいくら払うのかを知ると、残るか動くかを判断できます。
